レーゼシ/あすくれかおす
 
れて無口になり
ぼくたちは空想を喋らなくなり
だらだらしてしまい
今でもたまにはガムを噛むけれど
宇宙のことは別の誰かが考えている。



風が大きい。
格子窓がわななく。
読み物をやめて
部屋の明かりの真似をする。

「ワタシは、
ワタシタチを、
おびただしく、おびただたびたびしく、
電気が流れます。
何にも見ませんし。
何にも聞きませんし。
揺れます。揺れまするまれす」

白いまっ白い白い、
カップに
コーヒーの跡が真っ直ぐについてる。



ぼくたちは長いプロセスだ。
鼓動のあいまに、つづく裏打ちだ。
(ねーねー
瞬間を模して、流体を形容する。
あついつめたい、ほしい、
いま、いま。
散じる。
あたしは、息は、まだ温かい。
(センセー、センセー
ほしいたのしい、ねむる
何かの匂いがしてる。
匂いが別の結び目になって
途切れてしまわないようにと
ぼくたちは
ゆっくりと話しつづけた。





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