ケイローン考/都志雄
そのいて座の子らは
日曜日の夜が好き
うたげのあとの
零(ゼロ)の織りなすパターンが
ひょっこりと
谷で夜風に当たったり
市役所の屋上から綿毛を飛ばし
無人駅の明かりをともす
路地裏で「ピッツバーグ」とか言ってみる
麦秋に吹く南風が
ブリキ小屋を撫でる月曜日は
一人ぼっちのアイドルで
丘の上で口ずさめ
夕日が滴を降らせるままにしておいて!
零(ゼロ)が引き金を引くんだから
(いや、これとて正確とは言えないが・・・)
夜の明度を弾く弦は、
誰だろう?
霰が降っていますよ、ねぇ(君の袖ひっぱる)
暖かい布団の中で
いて座の子らは
麦畑のブリキ小屋になる
ア・ケ・テ・ユ・ク・・・ソラ!
(黄色信号よ永遠に)
ステキ!
とだれかれ構わず抱きついて
次の瞬間はもう
デニムブルーの難しい顔
戻る 編 削 Point(2)