淀みで薄暗がりの/番田
何も 心の中に
もう 僕は手にしていない
あるものといえば誰かの手紙や電報ではない
何を そうして死んだ 僕は
寝過ごしていていない しかしうっかり といっても
見られなかった夕暮れは
部屋の暗闇が作ろうとしていた音楽に鳴ってはいない
僕がひとり夢の中ではたたずむのか
でもこの不況はいつまで 僕は
といっても不況が続く限りは
何も淘汰されてやまないのだと
人口は知らない 続くのか
言葉を手にしない僕の 暗闇は
ひとつの 音楽がしているわけでもない 時計の秒針は
一秒ごとをこの部屋には刻むのか
ページは 本をつぶやく しかし閉じられた
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