光の重み/within
 
蝸牛のうちで反響する叫びを
押し寄せてくる旋律を
海馬に刻もうと
目を塞ぎ
親指を噛んで
何もかも消えてしまえと
布団にくるまり
瞼の裏の黒い染みを

じっと

足元で
まどろむ猫の
毛を繕いながら
何も知らない顔をしてるのが
憎らしくて

殺してしまいたくなるけど
殺してしまうと
憎むこともできなくなるし

ほんとうに殺したいのかどうなんだか

憎らしいのか、愛らしいのか


冬なのに暖かい陽射しに照らされながら
太陽の流れに身を任せて
目の前の畑の腐りかけた土の上に
萎れたココロを横たえて
今日もまた自分を殺してしまう
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