atoz(omit root)/鎖骨
 

せかいじゅうのどこにだってゆうじんが
つくれるんだなんてそんな話を笑ってすることが共通の幸せになるだなんて


録っているときは
タラップは上らないでよ
リズム隊は定員オーバー
金輪際採用枠が空く事なんて
ないことをいい加減認識してくれたら
夜はもっとそれぞれに
慎ましく穏やかに移ろえる時間になるだろうに


形骸と理屈だけ舐めてきたこの指で
情念と理想から乖離できないこの両目で
自分の血を見て初めて知覚される感覚
滑らかに鋭敏化する軸索
精密を内包した単純が全てを凌駕する
それだけを今は信じられる
そこには宇宙が
静かで侵されることのない
あらゆるかたちをとる不可視の那由他が既に孕まれている
文字と酒と音楽の齎す高揚が無条件にぼくをそこへ








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