アンチテーゼ/津島
 
ここは主成分すら不確かな路地裏

行く宛のない罵倒をのせて唾を吐けば
憐れなほどに幸福を願った夜がちらつく

這えば、飾りのメロドラマ
血管のなかを駆けずり回る
負け犬の性、シュプレヒコール

能動的であればこの意味さえ失う
結果としての感慨なら潰すことも出来ないだろ

痛みの伴う朝焼けを背にして
今、我々は鮮やかに欺くことを誓う
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