夜に木になる/
テシノ
私達が愛さなかった理由が
私達が交わさなかった言葉が
細かく寸断されて景色に織り込まれ
目よ耳に伝えてくれ
旅人の目よどうか彼の耳に
音楽を少し湛えたまま
まどろむ怠惰な耳の奥に
愛してなどいない
愛したかったのだ
これは
罰か
愛さずに求めた二人を一つに纏めあげて
もう
お前となった私を
私となったお前を
求め合う事は二度とないという
愛し合ったという罰の木か
それでいいと思いながら
お前と私が朝を待つ
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