消える、景色、消える/竜門勇気
 
馬鹿げた夢が
乾いた頭に雨を降らす
蒔いた種子は
一つ残らず腐った
灰色に落ち込んで
音速にたどり着く

そして
超えた音をふりかえれ
瞬きする間に
殴り飛ばせばいい

常套句
そりゃ上等な苦しみの事か
張り合って背伸びで
追い込まれて

相当遠く
これは油が浮く無意識の海
タカリあって
温もりあって
さっきよりは
正しいのさ
ほんの少しだけ
間違ってないのさ

耳の裏に恐怖が広がって
見渡す目は
光のない石
ずぶ濡れになったまま
道路で腹わたを撒き散らした猫を抱きしめた

明日も
漂白された日々は続く
君は
君を責めれない

[次のページ]
戻る   Point(0)