夕暮れのベンチで僕は/番田
誰も知らない防波堤
僕は何かに問いかけた その知ろうとする命であることを
緑は 手のないそこに 記憶するようで
じっと見つめるように 魚たちの中を何もないのだが
そこだった ただ鏡 中のないものを見いだすように
夕暮れには開いている 子供に向かって 僕
暗い黄色の帰り道をたどっていった頃 何も知らない 僕すら でも
路地裏はまだ 空を 赤や白 骨に取って
鏡のプラスチックカプセルを 夜に沈んで 夕暮れの公園に
何度もひとり 顔の手を
その自問自答には 残っていない
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