優しい水源/たまご
 
冬でもないのに心の中に雪が降っている
言葉にならない想いが
雪のひとひら ひとひらとなり舞っている
(これ以上激しかったら前が見えない)



この雪はどうなるのでしょう?




地面についたらすぐに融けてくれますか?
それとも暫く積もりますか?

重みにたわみ耐えたなら 時期がきたならば

その一滴が山中の水琴をうち
静けさに共鳴しますか?

浄化されたせせらぎとなって
小さな光をきらめくことができますか?

鼻腔の奥をつめたく通る苔むす緑の記憶となって
いつのまにか
切なさが透明な空気になり
満面の笑みをたたえた

ひっそりと    優しい水源にしてくださいますか
この想いよ
積もったならば
融けて流れよ
いつか嵐の過ぎた穏やかな
鳥たちの憩う水源となることを


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