タイトル/藤原有絵
 

仄かな熱を集めながら
最後の最後に笑顔になれると
作者はそういう信条を持っている人だ

暖かい部屋で
美味しいものを食べて
寝具を整えているときでさえ
救われたい気持ちは棲んでいる

そういうものを見留めることで
生活を切実で現実的なものへ繋ぎ止める事もある

そう考えようと
お互い話し合った人さえ
本の波に逸れ合う日が来るけれど

過ぎた事は嘘ではないと
もう知っているから
知らない事とは違うでしょう

外は雨
一層水の強い音

名が変わる
季節の



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