レインクラス/秋也
夢の中で雨がぺちゃぺちゃ降り続けます
私は透明です
いつかいた教室に今いるようで
周りが騒がしく
その時の僕も挨拶をして
眠そうに誰かと話しています
もうすぐホームルーム
遅刻はしなかったようで
教室の中は
版画のような直線的な雨が降っているけれど
透明だから
夢だから
濡れないわけで
雨が机に落ちれば
水滴となり
教卓も黒板も
制服も鞄も
びしょびしょになるんだけど
なんだか帰りたくなかった
なんだか覚めたくなかった
学校あれだけ嫌いだったのにな
夢の中の私は透明で
教室にいる僕は濡れながら眠そう
現実は眠っている
先生
傘差して入ってきた
そういうとこなんだよ
嫌いなの
出席簿
返事して
起きよう
ここでも
夢でも
教室でも
今日は起きたら
起きていよう
なんだかんだで今を生きているのだから
何が降ろうとも
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