寒い夏の朝/
風音
寒い夏の朝
早朝
きみが帰ってゆく
言い残したことば
さりげない仕草
ぼくは
部屋の片隅で
膝を抱えている
きみがいた日々は
あまりに濃密で
この
薄い空気に
ぼくはこれから
慣れていかなければならない
夏なのに
寒い朝
きみの泣き顔が
見えるよ
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