すがるひと/恋月 ぴの
していたような
今頃なにしてんだろうね
背中合わせの君とうまくやってんのかな
彼の垣間見せてくれた白い壁とオレンジ色の瓦屋根と真っ青な海
永遠の憧れだってことは判っているんだけど
それでもシロッコに吹かれながら
「Te amo mucho」おとこのひとに抱かれてみたい
目と耳と鼻と口
ほんとにみんな繋がっていたんだ
さっきまでのぼけぼけ加減吹き飛んでしまい
耳鼻科の診察椅子の上で悶絶したのかしないのか
女医さんの冷たいあしらいにおんなの敵はおんなだったことを知る
戻る 編 削 Point(27)