鎖骨の窪み/青色銀河団
生まれたての
手の平で つかんだもの すべて。
鎖骨の窪みから とくりと こぼれだし。
山や丘の傾斜地を ゆっくり流れる。
スペイン産の白ぶどう酒の
甘やかな匂い。
車輪のスポークが散らす
青白い火花。
それら全ての色の顔料が、
とろり合流し、
ゆっくり流れてゆく。
「ねえ、
見える?
やわらかな風の
固い骨」
尻のほうからくつろいで。
鎖骨の窪みから。
みんな流れ出て。
溶けて一つになる。
残照に照らされた
鎖骨の白い影が
また
とくりとこぼれる。
戻る 編 削 Point(2)