地の果て紀行 〜演歌風に/都志雄
 
大きな空だね
しょっぱい風だね

あの夏から
本当のことには気づいていたのに

雨の夜道はスキップで
始発列車は居眠りで
何をさがしてこの岬

灰青色の空模様
黙って映す海の色

ここまで来ても
どうしても
僕は僕でしかないのだと
風に飛沫(しぶき)は乱れ舞い

岬の海風つぎつぎと
運ぶ雲たち
僕は読み

信じたくなかった・・・


ミス・ビードルは消えてゆく
さびしき爆音響かせて

おかえり 
おかえり
おかえりと
誰かの声が呼ぶのなら

おかえり
おかえり
おかえりよ
沖のいさり火吹き消して






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