絶対領域プログラム/こめ
助かるには確率は少なく
1%より少なくコンマ以下の数値だった
誰よりもわかっていたけど
やっぱり君を失うのは嫌だ
そういう僕は君からみたら
わがままな子供にでも見えたのかな
細い今にも崩れそうな手の平で
僕の頭を撫でた
人は産まれ生きそして朽ちる
それは誰にも変えられないように仕組まれた
絶対領域プログラム
いくら祈り願い僅かな光でも
必死にしがみつこうとしていた
両方の耳で聞いていたイヤホンから流れる
別々の鼓動の片方が聞こえなくなり
気付いた時にはもう遅い
繋いでいた手は
はなされて君は僕から離れて行き
みえなくなった
どんなに細目にしたって
どんなに度の強いメガネにしても
どんなに最高級の顕微鏡を覗きこんでも
君の存在は確認出来ませんでした
どうしても確認出来ませんでした
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