世界の終わり/within
 
授業が終わると、真っ先に教室を出る
いつもなら軽音楽部の部室で
とりとめのない話をして
演劇部の発声練習を聞きながら
ひとりの娘の姿を追いかけるのだけれども

夏休みの間、炎天下の中ひたすら肉体労働をして
用意した二十万

今日、フェンダーのストラトキャスターが届く

だが道はひらけていない
冷ややかな爬虫類が舌を出して待ち受ける

「な、千円貸してくれよ」

「ちゃんと返すからさ」

「な、一万でいいからさ」

「俺たち、友達だろ」

と舌を出して僕に巻きつく
結句、財布の漱石はいなくなった
家路に伸びる陰鬱な影

しかしストラトキャスターの到
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