深緑/フミタケ
 
を聞いている
どこまでも続く公園をすこしづつペースを落として歩く
曲がりくねる道は、北へ向かうのか西へ向かうのか
自分がどこにいるのかさえ分からなくなってくる
緑がくるいざいている薄暗い公園の足下には枯れ葉
そう腐葉土にするための
程よい量に遺された冬の足跡
同じ深緑だけど
公園の空気は神社とは違うねやっぱり
木々の間から見える空はまるでガス・ヴァン・サントの映画に出てくるそれみたいだし
ここは
ミケランジェロ・アントニオーニの『欲望』に出てくる公園にあまりにも似ているよ
まるでデビッド・ヘミングスになったみたいに途方に暮れ
歩き疲れてベンチに座
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