Intersection -夏-/あやさめ
太陽はどこまでも沈みようがないので
椅子と同化して溶けていきそうな
右足のつま先の前にレールを跨いだカメラ
回る車輪と一緒に垣根を飛び越えていく犬を追う
信号のある十字路はいつでも遮られた視界の外で
彼ら二人が仲良くボールを持って駆け寄ってくる
窓の内側の視線は時々どこも見ていないようで
かごの中ではねるノートが光を跳ね返している
足元は少しだけゆらめいた空気の中で
アスファルトは四方八方に存在証明を振りまく
眠らない昼も朝も夜もその次の角を曲がっては
踏み出した次の秒でトラップばかりのステージが始まっている
てんでばらばらな動きをしている人形
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