区別/リタ。
 
大人になったぼく
いくつも季節を巡る
思い出のバルーン
子供の頃の情景が
心に浮かぶ

裏の小径を通り抜けて
新しい世界を探検した
どこまでもどこへでも

夢と現の区別なんか知らなかった

アサガオみたいに過ごした日々
毎朝新しい花を咲かせて
日暮れとともに今日にお別れ

太陽と月の区別なんか考えなかった

庭にこぼれた
思い出のシード
忘れかけた記憶が
心に芽吹く

生と死の区別なんか分からなかった

年老いてくぼく
どんな季節を巡るだろう
思い出のフラワー
追憶に咲かせられるよう
心をたたく

夢よはばたけ
溶けてほどけて
大空のかなたへ
淡い旅のはじまり
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