えこなとの出会い/人 さわこ
 

えこなはよく笑った
でもなぜかいつも、寂しそうだった
えこなはいろんな話をしてくれた
私はだまってそれを聞いていた
とても心地がよかった
私はいつまでも駅につかなければいいのにと思っていた

ゴールデンレトリバー
吉川ひなの
バタフライナイフ
雑巾
奥行き

えこなの好きなものを私は好きになった

えこなはゆっくり歩いたので
私もそれに歩調を合わせた
風が暖かく、夕日が見えて
そのオレンジが黄色いかばんによく似合っていた

駅についたあと、私たちはまた会う約束をした
何年経ってもいい、またこうして
歩きながら話をしようとえこなは笑った
1人分の切符で改札を通った

えこなの乗る電車が先に着いた
私は手を振った
えこなはまた、笑った
まるで、夢のあとみたいだった
向かいのホームでやかんが沸騰していた
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