ぼくは どこへも行けない/yo-yo
ぼくは 生きています
なんとなく 生きています
いいえ ほんとは
生きたいと思って 生きています
ぼくはときどき 詩を書いています
詩のようなもの と言ったほうがいいかもしれません
なぜなら それを書くのは もうひとりのぼくだからです
もうひとりのぼくは ぼくから逃げようとします
うまく逃げきることができたとき そいつは
詩のようなものを 書いたりするのです
ぼくから逃げているので
そいつの言葉は ぼくの言葉ではないみたいです
すこしずつ ずれてしまうのです
だからそれは 詩のようなものなんです
生きているから 恋もします
恋するぼくは 木です鳥です
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)