世の中がどんなに変化しても、人生は家族で始まり、家族で終わる/吉田ぐんじょう
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どういうわけかうちのごみぶくろだけ
いつもあけられてしまって
中身がまき散らされているの
ある日曜の朝
母が困惑顔で言ったとき
それはきっと妹を狙う肉食獣の仕業に違いない
とわたしにはわかった
夜な夜なごみぶくろを開けて
中に
妹が入っているかどうか探しているんだ
だってそうに違いないんだ
何せそのころ
妹は石鹸ばかり食べていたから
やわらかにすきとおって
いつもしゃぼんのにおいをさせていたし
おまけにとても素敵な脚をしていた
きれいなものしか食べたことのない妹は
血の臭いを拒絶した
殺されたものは食べたくないのと言って泣いた
だけれどわたし
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