疼切/くろね
街が夜に溶け出すと
次第に鼓動強くなる気がして
俯けば何も見ずに
歩くこともできるだろう
それも無駄だと知っている
涙と時間は流れて落ちる
触れることはもう
叶わないかもしれないけれど
さよならも言えないくらい
近くに感じてしまう
街が朝に染み出すと
次第に呼吸速くなる気がして
血液は錆びついていき
歩くこともできぬだろう
それでもいいと思っている
大切なもの失ったのだから
触れることはもう
叶わないかもしれないけれど
たった一秒想うだけで
温もり感じてしまう
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