朝 2009/武富諒太
 
夜更かししないで
朝に会いに行こう
僕が目覚めた(ルビ瞬間=とき)
朝が生まれる

木々の緑にも
ビルの谷間にも
光と共に
等しく降りそそぐ

寝ぼすけの誰かさんの
夢をくすぐって
雨にぬれる日も
静かにひろがる

僕が生まれた朝は
もう
戻らないけれど
何度でも出会う
朝に会いに行こう

夜空に(ルビ瞬=またた)く
星に会いに行こう
君が眠っていても
空に輝く

君が見上げる
涙の先に
光る星々
(ルビ煌=きら)めく(ルビ生命=いのち)

夕暮れの茜色
消えゆく夕日に
ふりむけば闇に
星たちの軌跡

いつだって光は
君を形づくる
夜の闇を抜けて
朝に会いに行こう

窓辺に咲く花
朝に会いに行こう
君が目覚める前
花は(ルビ微笑=ほほえ)む

もし 君が今日
忘れたとしても
花はいつだって
君に笑いかける

朝もやの汽車の窓
眠い目 こすって
晴れた時見える
虹に出会おうよ

大切な人に
届けたい言葉は

いつだって僕に
勇気をくれるから




戻る   Point(0)