無音の朝/ウデラコウ
 
雨音と国道を走る車の音に混じって
あなたが あたしを呼んだような声がして

静かに目を開けたけど そこにあなたの姿はなくて

夢にしてはやけに はっきりした声だったとまた 
寝返りを打つの

さっきまでそこにいたのに 今は
冷たくなった枕だけ 静かに 場が悪そうに

人が一人消えただけで なんて静かな世界なのでしょう

何もなくて この部屋から音はしなくて
外から入ってくる無骨な生活音だけ 頭に響いて

永遠にも似た 長い時間をまた 越えることに
少しだけ 怖くなったりする

信じるなんて言葉 昔は簡単に口に出来たけど
近頃はさっぱりご無沙汰で
そんな短い
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