COSMOS/塔野夏子
 
窓の遠くでコスモスが揺れざわめいている
君はそこへ行きたいと云う

行くがいい 君になら似合うだろう
あの優しい色あいも それを揺らす風も
すべてを照らす初秋のあかるい陽射しも

僕はこの部屋に残る 窓に頬杖をついて
君を見送りながら 君のかわりに
ひとつの透明な諦念を かたわらに置いて





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