きずな/信天翁
 
それは弱まるものである
   経年的な金属疲労のように
だが軽視するものではない

それは強まるものである
   果樹園に漂う芳醇な風紋のように
だが羨望するものではない

それは見えないものである
   北風が告げるウラノスの啓示のように
だが早合点するものではない

それは見えるものである
   木漏れ日が映すクロノスの片蔭のように
だが踏み絵とするものではない
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