カドミウムイエロー/
ゆえづ
ー
痛かったでしょう?
廊下の流し場でクラスメイトが笑っていた
笑い返す間もなく彼女は
円形スロープを下りそのまま消えていった
ばららとたくさんの羽根を遺し
あ い たた
野良猫は路地へとまっ逆さまに落下する
鉄柵越しに立ち枯れた向かいの安アパートを
吊鉢のフェンネルが塗り潰す
わたしたちはまた舞い上がる
ゆるやかにうねる大気の中で
いのちは染み渡る
千切れんばかりの快活さで
きゅるる きゅるる
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