縛られる/あぐり
 
金縛りにあったという夢をみた
金縛りにあったという/それは現実かもしれないが
誰が夢と今を切り離しているか、と問えば
それはおそらく(やっぱり)私の剃刀なのです

感じてる 重み
動かない 手
まるでこれはどうしようもなく現実の呼吸で
だから私は 夢だ と呟いてみる

あからさまな虚弱
意思疎通は不安
実りならぬ秋の空を歌えど
ほら もう 時計が進んでいるすすんでいる
(現実に散る)

ごふんかどうかもわからない金縛り
目だけを動かしている
わたしは滑稽だろうか
本当に此処は私なのか
否、もう規則的な鼓動など望めないのかもしれない、ないよ、もう
だってまる
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