ムカデと毛虫/ヨルノテガム
 
知ることになる
忌々しい虫、の忌々しい全身毒牙!





昼寝する白い素肌の美少女の腿に
天井から落下したムカデが
布団の道中をさ迷い ついに
何十本かの足をソロリと添わす
美少女の遠い眠りの記憶には
こちょばされた異物を払いのけた
というのがあるだけだった
方向が替わったムカデでさえ
何処がこの遠足の終わりなのか
再び頭を揺らせて突き進むしか
当てはなかった





腕に発疹が広がったのは
葉を食い荒らす何百もの毛虫の内の一匹が落ちてきていたからで
美少女がそれに触れてしまったのを知ったのは
白い肌が熱を持ち 腫れ上がってからのことであ
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