遊星/霜天
遊星の昇る日
空の縁
半円を描いたら
落ちていく
時々振り返ってみたり、見上げてみたり
大通りの騒音がすっかり馴染んでしまったせいか
空の動きのほんの少しなら、気にならなくなっている
指を持ち上げて、水平に、空の縁
赤と紫と緑と、繋がるグレイ
ゆらりくらり、傾いていく
目に見える時間の方向を
久しぶりに、眺めている
騒音の雑踏のビルの影のざわついた流れを
紛れても、君の名で
呼べば振り向いていくということ
いつかの遠くで
言葉が言葉でなくなっても
数字で互いを認識するような
振り向くということ、君ということ
冗談みたいな未来も
ゆらりくらり、傾い
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