愛がない一日/nonya
 

なんて格好つけて書いても
本当は愛の味なんて
少しも知らないのでした

それなのに愛がない一日の後味だけは
なぜか知っているのでした
苦くて黒色の夜の海の味ですよ
酸っぱくて虹色の朝の道路の味ですよ

もしかしたら
愛は電球なのかもしれません
愛は水道水なのかもしれません
愛は携帯メールなのかもしれません

あまりにも当り前すぎて
味が分からないものなのかもしれません

もしかしたら
愛は呼吸なのかもしれません
愛は瞬きなのかもしれません
愛は掌の温もりなのかもしれません

なくしてしまった時にだけ
思い知らされるものなのかもしれません

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