かすむ星々/within
 
遠くばかり見てるね。

秋の夜空はとても澄んでいて
僕の焦点の合わない目でも
うっすらと星が見える

遠くばかり見て歩いてたら
石に蹴つまづいた
気付くと
隣にいたはずの君がいなかった

デネブを探す
山羊座のアルゲティを探す
望遠鏡を覗いて
真空の彼方の無重力の星々を
アンドロメダの大星雲を
見つめる

この望遠鏡は君のものだけれど
いつの間にか僕のほうが夢中で
でもレンズの向こうに広がる世界に
君はいない
神様の住む星はどれだろう

「私、知ってるよ
でも自分で見つけないと
神様は微笑まないよ」

と、すましていた君に捨てられた僕は
神様を探している
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