小さい生き物/mac
コ子さんは珍しく好奇心を起こして
タンスからタタンと飛び降りた
「小さいね。動くのかい?」
「玩具じゃないよ。生き物なんだよ。」
「知ってるさ。」
ネコ子さんは小さな座布団の上で
タオルを掛けられて眠っている
赤ん坊の横に座った
「かわいいだろう?」
「うるさくはないね。」
時折動く小さな手の動きに
少し反応して後ずさったり
恐いもの見たさに
足を触ってみたり
一通り確認すると安心したのか
ネコ子さんも赤ん坊の隣で寝息をたて始めた
しかし事件はしばらくして起こった
ぎゃ
悲鳴とも何とも言えぬ
変な声をネコ子さんが発した
僕が駆け寄ると
目が覚めた赤ん坊にネコ子さんはヒゲを掴まれていた
「ヒゲを掴むのは家系だね!洋子にも
あんたにも昔掴まれたのを思い出したよ!」
ネコ子さんはたいそうご立腹で
タンスの上に戻られた
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