言葉、へ。/あ。
 
生まれたばかりのきみは
ぽやぽやとした輪郭でふわふわとした軽さで
赤ん坊の手のひらにもおさまるほどの大きさで


あたためられてすくすく育つ
産毛はだんだん寄せ集められて太くなり
気付けば数は減ってるんだけど
太くて丈夫な精鋭ばかりになっている


時にビデオの早送りのように
時にコマ送りや一旦停止のように
速度はちっとも定まっていなくて
正しいとか間違ってるとかどうでもよくて
確かなのか曖昧なのかさえ考えていない


ただ、育っていくままに任せてみる


ぽやぽやじゃなくて
しゃんと筋の通った形になったとき
きみはわたしの手を離れる
昔に生まれたきみのきょうだいにそっくりな時もあるし
繋がりなど全く感じない時もある


でも、全部
その瞬間のきみなんだ


手を離れて目に見えるものになったとしても
きみは、わたしのこどもで
わたしは、きみなんだよ


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