[fiction]/あやさめ
号と記号の間にしきつめられた白い繊維に願い事を
作り出された次の物語を勝手に組み込まれた
あなたの手書きの封筒
─誰かが誰かを絵描きのふりをして福笑いの代わりにする
全ての方向から見えないものが支配する陰謀を
気にして推理することの正しさを誰が確かめたらいいんだろう─
名前をつけられた名前のない子供たちが今日も空に浮かんでは
向こうの誰かを呼んでいると叫んでは一直線に行進している
電気のつかない夕暮れ時の逆さまな空
名詞の数だけ開かれた窓の向こうに
鉛筆を転がして進んでは後戻りするだけ
ただ適当に新しいと言ってしまえば誰も気にしないから
みんなが目をつぶって振りかえって何も見ないままでいる
そんな空を映すのが好きでしたと笑っては
そういう窓だけ開けては閉じて
そういう窓だけ開けては閉じて
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