零の抵抗/セルフレーム
前の日。
クリスマスのダンスパーティのとき、
ドレスアップした彼とあの方を見て、彼女は私に言ったわ。
【丸い顔、小さな瞳、太い足、私のすべてが私は嫌いよ。
ねぇ・・・あの方は綺麗ね・・・
本当に美しいわ―・・・】
なんだったのか、今でも私には解らないの。
でも・・・
それが引き金になったってことよね、きっと・・・
彼女を殺したひとは、未だに見つかっていないわ。
悲しいことよ・・・これからずっと、こんなのが続いていくのね・・・
零の抵抗
そういえばあなた、どうして私みたいな年寄り婆さんの所に、
そんなことを聞きに来たの?
え?
死んだおじいちゃんの日記?
・・・あなた、彼と同じ名字なのね。
顔もよく似てるわ―・・・
でも、あなたが背負うものではないことは確かよ。
さ、ほら、
向こうでみんな遊んでるわ。
早く、行っておいで―
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