零の抵抗/セルフレーム
あの方は綺麗ね
本当に美しいわ―・・・
零の抵抗
あぁ、とっても昔の話ね・・・
彼女の話をするのなんて、あの時以来よ?
みんな幼かったわ―
老いなんて考えもしなかったわね・・・
―だってあの頃の私達は、
それを考えることが何より恐ろしかったんですもの―・・・
でも彼女は―
彼女は、何も怖れなかった・・・
彼女は自らの容姿に、人一倍のコンプレックスを抱いていたわ。
【丸い顔、小さな瞳、太い足、私のすべてが私は嫌いよ】
―彼女は自分の事を話すとき、いつもこう言っていたのよ。
恋をしていた
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