涕涙温溶/木屋 亞万
 
に似たものの寄せ集め
他のやつらもみんなそうだったらいいのにと
心のどこかで願っている

雪山の棒状化した樹氷の群れのように
曖昧な輪郭だけになった石像が並んでいる
寸胴な建物に暮らす人々の感情もずいぶん寸胴になった

点と点を結ぶ線が点の多さに辟易としてしまって
都会では点は孤立し
点はたまらず群れを作っている
線で結ばれることのない点の群れは
日々ぶつかり合い
空中分解を繰り返している

いつまでも果てなく続くと思っていた永遠は
ひび割れては欠け、欠けてはひび割れて
今にも壊れそうになっている

誰かに優しく抱きしめられるまで
死んでたまるかと思っていた
誰かに抱きしめられる可能性を前にすると
不意に死んでしまいたくなるようになった
雨粒が地に叩きつけられる音が絶え間なく響き、
石像は失われた目で涙を流し続けている

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