地下鉄の彼方の音/
番田
誰でもなくなっていく地下鉄の中を揺られながら、声をわしづかみにする。入れ替わり現れる休日、子供や女の人の姿を見ていた。過去でもなくなっていくそんな穏やかな言葉に流行の服を着ている、景色を生きようとする自分もいる。僕は寂しい思いの円状のシルエットを見て水道橋の景色と照らし合わせていく。流れ出る言葉の一つもなく、遠い自分を自分に抱え込まされていても東京ドームの見慣れない景色に身を委ねながら、今日もベッドに腰を下ろして。
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