少女無人/ヨルノテガム
 
したように熱を逃がしてやる
街の半分は眠っている
食事でさえ仕事でさえ移動でさえ 
夢の浸食をゆるしている
狭い路地世界を繋ぎ合わせる記憶の地図を彷徨っている夢人が
生きる意味 その1
生きる意味 その2
生きる意味 その3
を隠す場所を見つけあぐねている

○○は眠っている

○○は消えかけてしまっている





B月A日 氷水みたく


飛び降りた少女の足がぐねる
イタイ と言う前に
(あ―し―、ぐねって しもうた――っ
と片足でケンケンして

男は少女のヒールを脱がし患部の様子を押さえて確認するに
結局、その日の終りにはギブスになる
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