九月の獣/アオゾラ誤爆
街灯は白んで路地を見下ろす
檻の中で眠るよりも
コンクリートに背を預けて
何度指を切ったか忘れた
さみしくない
かなしくない
別に嬉しくもないが
手を叩く
子供みたいに
空白はいつも透明じゃなくて
機械的な動きで
私の餌が出来上がるのを
ただ見つめるだけの日もあったね
赦しあおうよ
肉の味をつくるのに
必要な経験を
あなたは持っていないから
私の鎖骨のあたりに触れて
ぬるい唾液
意識を断った
笑おうと思えばできたよ
いいわけみたいに生きているから
強弱のない信号が
あなたに下手な嘘を吐かせる
手に取った微熱が
十分なほど浸みこんだら
朝焼けもふやけて
水になった
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