涙プールにて/みぞるる
も
吹きすさぶ隙間風を
冷たいと感じてしまうぜいたくのせいだ
「愛されることが幸福なのではない。
愛することこそ幸福なのだ。」
そうであるなら
どうしてあたしが
あたしを丸々包み込む水圧に溺れたがるのか
どうしてあたしが
あたしの頬に流れるものを幸せと思わないのか
その答えを
遠くの誰かも囁いてはくれない
…
悲しいと思うから
悲しいだけだ
誰かが遠くでそう囁いた
最後に触れたあの人の手は未だ暖かすぎて
あたしの隙間は
愛では決して満たされないとわかった
そうしてあたしは
涙のプールに溺れていたい
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