白い顔の女/はな
 
白い顔の女の人が錯乱している

赤い唇で錯乱している

ぼくは可哀相にと思って

少し離れた場所から見ていたんです



目が合ってはいけないから

ぼくはぼくの眼球をえぐり出す

やわらかくあたたかだと思っていた眼球の実際は

かたくひややかだった



口に含んで

あの女の人の方を向く



その女の人も

かたくひややかなものを

口に含んでいた

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