雛/はな
 
夕餉に何を食べたいのかと
祖母が聞いた

鳥の死骸が食べたいと答えた
いくつかの植物の死骸を添えた
鳥の死骸を食べたいと答えた

父親がもずの雛を拾ってきた
巣から落ちて可哀相だと言って
優しく雛を籠の中に入れた

雛はぼくによって籠から出されました
雛を壁に叩き付け続けたのはぼくです
(愛しい)
何度も何度も叩き付けたのはぼくです
そのうちぐったりしたので
(可愛い)
優しく籠の中に戻してあげました

祖母は鳥籠の中から
雛の死骸を取り出して羽根を毟り始める

ぼくは
その羽根の交差するところの
体温と匂いを
必死で考えていた
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