芸術の秋とかなんだとか/かとうゆえ
 



秋 という季節は
卑怯だ。

どうしてこんなにも
感性を揺さぶってくるのか。

つきぬけるような金木犀の香りが
カーディガンの隙間を縫う風が
さめざめと降る雨が
その後の虹が
夕日が
月が

いちいち切なくていやになる。

いちいち胸がしくしくなる。


大好きなんだよ
ほんとうは



秋 という季節は
まったくもって 
卑怯者だ。





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