製氷器。午前1時。/あぐり
ない。動き廻る眼球の、音がする。タイプライター、の曲。そこの意味、記号、を知らない。知らない。耳?耳で感じていけば良いのか。でも、ずっとうるさいだ、け。肌が滑らかさ、を失う。1つ、の意味。小さな音が、肌にまとわりつく。僕の肌で、何も伝えられはしないのに。髪が夜、の色。肌は、緑、と紫の唇。目は光を食べて、色が無い。だろう、という予感。今日が最後、だよ。もう朝はこない。それでも僕は、夜の定義を知らない。誰、かに聞こうとも、しなかった。手遅れ。漏れた胸の水で、布団は冷え固まる。そして、僕が浮かぶ。夢、を見ない。白蛇が、意識、を噛んだから。身動きのとれない、それ。まるで意思のある、人形。僕。固い、製氷器を
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