製氷器。午前1時。/あぐり
 


ハ、ロー。ハ、ロー。現在、は午前1時。僕の心の灰の水の心は、相も変わらず流れ続けている。目は慣れた。白蛇、だけを、認識していた目、に。90度曲がった部屋、の様子が浮かび上がってくる。背中の他所他所、しい温もり。おだやかな寝息。今、僕を包む製氷器の無機質な匂い。眼球は干され、だからこそ、あたたかさがとめどなく、流れて、いく。穴のあいたふすま、灰色。もう、誰もいない。脳のシワが、少しずつ消える。モノクロの夜、の中で。僕は自分の爪、が紫だという事を。ただ確信している。ハ、ロー。唇が動か、ない。くせに。呼吸出来ている、不思議。それはきっと偽悪。止まらない流れ、は。布団を灰色、にしていく。それだけ?
[次のページ]
戻る   Point(1)